和の学校仙台分校準備室「お茶を楽しむ会」
第54回例会のご報告

遅くなりましたが「お茶を楽しむ会」第54回例会が無事終了しましたのでそのご報告をいたします。



・ 平成22年5月16日(日)午前10時00分〜

・ 宮城県柴田郡柴田町しばたの郷土館内 如心庵 

・ 主催  裏千家 樋口 宗正


 風薫るさわやかな季節の到来です。
今回の例会は柴田町にある如心庵で二年ぶりに開催しました。

 しばたの郷土館内にある木々の新緑の美しさが目にしみてまいります。
大きな欅の木の下にいると、無数の若葉の葉ずれから風が立ち、その清々しさについ深呼吸してみました。



 


  
床   剛山和尚筆   青山元不動



 青山は風が吹こうが、雨が降ろうが泰然自若。
堂々として少しも動ずるところがありません。
何をするにも右往左往することはなく、何事にも動じない青い山々。
落ち着いて我が道を貫き通せということでしょうか。
動じない心は「無心」にも通じるものがあるはずです。

 
筆にたっぷり墨をつけ、一気に書き上げられた字が心に残ります。



  花   浦島草
 
  花入  四方管耳
 



普段なかなか見ることのできない浦島草。         
花穂から伸びる細長く糸状に伸びるひょろひょろが、浦島太郎の釣り糸に見立てたもののようです。

 香合  竹踊桐

     


 桐は初夏の頃に花を咲かせてくれます。
桐が踊っているとは面白い表現です。
家紋の中に五七桐や五三桐を見かけることはありますが、踊桐が香合として遣われるのは珍しいものです。

 
 

 風炉    土眉
   釜    遠州
  
 水指     大久保窯
 茶入     高田焼
 茶杓     喝堂老師作     銘 千年翠
 茶碗     御本
   替     大黒
   建水   曲
   蓋置   竹切引
 
 御茶     青葉の昔      大正園詰
 菓子     岩根きんとん    たむら製

 二畳半台目席ではありますが、実際に座ってみるとそれ以上の広さを感じることができます。
下座床、台目の点前座に風炉が置かれます。
その前には中柱が建てられていて、風炉先に火灯窓がくりぬかれてあるのが特徴です。
他には床脇にある鱗板が茶室全体にアクセントをつけています。席に着くと、腰張りには古暦が使われていてついつい読んでしまいます。

 雨の降る日にでも一客一亭で、ゆっくりお茶事をやってみたいものです。

   

 【参加者の感想】

 いずれのお席も、お軸がとっても印象深く拝見させていただきました。
濃茶席
「青山元不動」、立礼席「雲悠々 水潺々」、広間席の 「逢花打花逢月打月」
若い緑に囲まれて、若くて綺麗なお嬢様方から美味しいお茶をご馳走になって、こんな贅沢ないですね〜。
お手伝いされている方々も一生懸命でした。
玉川遠州流はとても楽しい趣向のお席で強く印象に残っています。
いろいろなお茶室に席入させてもらうと、好まれるお茶の銘柄も違いそれも楽しみの一つです。

いただいたことがないお茶に出合うと、また世界が広がります。
お濃茶は、まさに新緑の爽やかな香りのようにも感じました。(金)


 初めての宮城県内のお茶会で久々に緊張しながらの席入でしたが、お天気にも大変恵まれとてもても楽しい一日となりました。
それぞれのお席の趣向も素敵でした。
今回何より嬉しかったのは、初めてお会いする方々との会話が楽しめた事です。
お茶を始めてから禅語にも興味が出てきました。
素敵な言葉は沢山あるのですが、不思議と今の自分の状況にマッチする言葉に出会う事が多く、そんな言葉に出会った時ははとても嬉しくなります。マッチするというより、自分が求めているからスッと心に入ってくるのかもしれません。
そんな私は「結果自然成」という言葉を教えてもらってから、都度都度 この言葉に助けられてます。
お茶を通してこれからどんな言葉たちに出会あえるかも楽しみです。(伊)

 如心庵のお席に入るといつも心が落ち着きます。小間の持つ魅力というものを感じました。
先生方のおもてなしの席にいつも感謝でございます。
季節の花々も楽しく拝見させていただきました。(S)

 年に一度はこの如心庵のお席に伺うのがとても楽しみです。
お茶室の佇まいが好きで、特にお席の中は明りがなくて昔はこうだったのだろうと思うと、先人たちの美意識やおもてなしを考えるいい機会になりました。
一度とはいわず秋のお茶会にも是非参加してみたいです。(T)

 如心庵は会員の中で一番人気のお席です。今回の例会には六名の皆様のご参加をいただき感謝申し上げます。
特に今回は山形の会員の方々が参加していただき楽しい例会になりました。
如心庵に入る度、いつかこの席でお茶事をしたいものだと思っています。
「秋のしばた茶会」にも是非伺いたいと思います。
写真撮影の許可と会記掲載のご了解をいただきました樋口先生に、この場をお借りし厚く御礼申し上げます。(冨樫)

   

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